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学校薬剤師の仕事

皆様こんにちは、だいぶ暑くなってきましたね。
これから熱中症も出てきますので、水分補給を忘れずに!

さて今回は学校薬剤師と言うお仕事についてのコラムです。
まず最初に皆様は薬剤師と言うとどのような仕事をしているとお考えですか?

え?医師が出した処方箋を元に薬を患者さんに出す仕事じゃないの??


はい、確かにそれは薬剤師の調剤業務と言って重要な仕事になります。
それとは別に、薬剤師はいろいろな仕事を行っている場合があります。その中の一つとして学校薬剤師があります。
学校薬剤師と言うのは、その名の通り学校に設置されている薬剤師の事です。
現在の法律では学校には学校薬剤師を設置しなくてはなりません。行政がその地区の薬剤師会に薬剤師の派遣を依頼し、薬剤師会は会員の中から、適切な薬剤師を選んで任命します。
ちなみに学校薬剤師は学校に駐在しているわけではありません。仕事があるときのみ学校に出向いて行って、仕事をします。学校薬剤師はどんな仕事をしているでしょうか?以下に紹介していきますね!(^^)!

1、飲料水・プールの水質検査
子供たちが安全に水を飲んだり、水泳ができるように検査をします。
2、空気検査
校舎などの建築や、改築した時などのホルムアルデヒドなどの有害物質の有無を検査し、子供たちが教室で安全に授業を受けられるようにします。
3、教室・廊下などの照度検査
学校内での明るさを測定し、子供たちの目の安全を守ります。
4、薬学講座
子供たちに、薬の正しい使い方やアルコール・タバコの害、違法薬物の危険性などを教えます。
5、その他
学校内での安全、子供たちの健康にかかわる事全般に関して学校からの相談に乗ったり、インフルエンザやノロの時期には注意を促したりします。

どうでしょう?これで学校薬剤師の仕事を少しは理解していただけたでしょうか?
今回はさらに(4)の薬学講座に関して付け加えておきますね。薬学講座は大抵授業の1時間を使って行います。実験やパワポなどを使って分かりやすく授業を進めていきますが、やはり時間が足りなくなったりします。後日子供たちから、感想文と共に質問が届いたりもします。
以下は、某学校薬剤師が、とある小学校で薬学講座を行い、後日子供から頂いた感想文や質問に対して、子供たちに返信した手紙です。少々長いですが是非読んでみてくださいヽ(^。^)ノ


〇〇学校 5年生の皆様へ

こんにちは、学校薬剤師〇×薬局の〇山×男です。
この前の薬学講座は楽しめましたか?あの後、資料を読んでみていろいろと考えたり、感想も持ったと思います。
そして、皆さんからのたくさんの感想や質問ありがとうございます。薬学講座では限られた時間でしたので、質問できなかった人も多かったようです。今回は皆様が疑問に思って、お手紙をいただいたことについて、もう少し詳しく説明していきますね。


薬の服用方法・薬全般について
・お薬は麦茶で飲んではいけませんか?
 今のところ、麦茶で服用して問題がある薬というのはありません。ただし、薬も日々新しいものが出てきており、今後そういったお薬が出る可能性もありますので、やはり水またはぬるま湯で服用してください。
・炭酸はあまり飲まないほうがいいですか?
 炭酸というと、コーラやサイダーですよね?先ずお薬を炭酸で飲んではいけません。お薬の効き目が悪くなったりする場合があります。また通常での炭酸ですが、特に健康には問題はありません。ただし、コーラやサイダーなどは糖分が多く、摂り過ぎはよくありません。ほどほどにしましょう。
・妹のお薬や去年のお薬など、同じ場合でも飲んではだめですか?
 お薬も食べるものと同じで消費期限というものがあります。古いお薬は服用しないようにしましょう。ただし、病院や薬局で『古いものから順番に飲んでください』と指示があった場合はそれに従ってください。
・病気などで薬物を使うことがあるというのは本当ですか?
 先ず、薬物というのは薬品全体のことを指し、皆さんが飲む薬も薬物に含まれます。ですから、病気に薬物を使うのは、本当です。また麻薬、覚せい剤などの薬物も、特殊な病気に使われることもあります。一番怖いのは、薬物を間違って使うことです。遊びで薬を飲んだりするのは絶対にしてはいけません。
・1回にもらったお薬は、症状がなくなったらやめてもいいですか?
・風邪が治っても風邪薬は飲んだほうがいいですか?
 これに関しては、病気や薬の種類によって、やめていい場合とやめてダメな場合があります。お薬をもらうときに、薬剤師さんに聞いてみてください。

・アイスとコーヒー2杯飲んだ後、すぐに水でお薬を飲むとどうなりますか?
 アイスやコーヒーと相性の悪いお薬というのもあります。できれば30分以上は間を開けた方がいいですね。ついでに、1度にアイスとコーヒー2杯は食べ過ぎです。
・同じ薬をもっていて、同じだからと、他の人が持っている薬を使っても大丈夫ですか?
 先ず、お薬の中には見た目や名前がよく似たものがあります。中身が違う場合もありますから使わないほうがいいでしょうね。そして、全く同じだったとしても病院や薬局で出されるお薬は、それぞれ皆さんのお父さんやお母さんが支払った保険料や税金が使われています。税金などの正しい使い方としては、他の人にお薬を譲るのはよくありません。
・薬はどのような材料を使い作っているのですか?
 お薬の材料にはたくさんの種類があります。主だったものは化学的に合成されたものですが、植物から作られたり、人間や動物の遺伝子を使って作られるものもあります。この質問をくれた子は、風邪薬に関してすごいと書いてありましたが、昔の風邪薬にはアオカビ(お正月に食べるお餅に生えるカビ)から作られたお薬もありました。

お酒について
・飲酒を続けて変色してしまった肝臓を治すことはできますか?できるようなら方法を教えてください。
 肝臓というのは体の臓器の中でも自己再生能力が高い内臓です。お酒をやめて安静にしていればある程度は治ります。また、肝臓の機能を高める薬もありますが、最初の治療は禁酒です。
・自分はビールを飲んでしまったことがありますが、死に至るんですか?
 まあ、今も元気に学校に通っていらっしゃるでしょうから大丈夫です。ただし、アルコール類を続けることにより、肝臓や胃などに負担がかかります。大人になるまではもう飲まないようにしてください。
・なぜお酒(アルコール)は作られたのですか?
 お酒の歴史は古く、(いろいろな説がありますが)紀元前のメソポタミア文明の頃にはワインがありました(今から6500年前)。最初に作られた時には果実が発酵したりして偶然にできたと思われます。
最初に作られた頃は、今ほど医学も進歩しておらず、お酒を飲むことによって楽しい気分になれるので、好んで飲まれていましたし、宗教の中で使われたりもしました。また、お酒がお薬として使われていた時代もあります。お酒は少量なら害はなく、食欲を増したり、ストレスを軽減させるといった効果があります。
ただし、まだ成長しきっていない皆さんがお酒を飲んだりすると、成長が止まってしまったり、思わぬ病気を引き起こしたりします。お酒を飲むかどうかは大人になってから、皆さんが判断してください。
・ノンアルコールは100%ノンアルコールじゃないことはわかりましたが、なぜノンアルコールには書いてないのですか?
 確かにノンアルコールビールというのにアルコールが入っているのはおかしいですよね。ちなみにノンアルコールビールは『アルコール度数が1%未満なら、ノンアルコールと表記しても良い』と法律で決まっています。中にはアルコール度数が0%のノンアルコールビールもあり、最近ではそちらの方が主流になっています。ついでですが、全くアルコールが入っていないノンアルコールビールは『アルコール含有量0,00%』と書いてあります。ノンアルコールビールを皆さんが飲むことはいけませんが、興味があればネットなどで調べてみても面白いかもしれません。

タバコについて
・タールとは何ですか?
 タールはタバコの中に含まれる有害物質(毒みたいなもの)です。タールの中にはガンを作ってしまう有害な物質が含まれています。
・タバコは吸わなくても病気になると聞きましたがどうすればいいですか?
 タバコはその煙の中に有害な物質が含まれていますので、煙を吸わなければ大丈夫です。家でお父さんやお母さんがタバコを吸われる方は、自分の近くで吸わないようにしてもらいましょう。また、コンビニの前などには喫煙所があります。喫煙所にはなるべく近づかないようにしましょう。
・タバコを吸い続けていると、身体にニコチンが溜まってしまい、ニコチンによる依存症になってしまい、タバコがやめられなくなると聞きました。それは一生やめられないのですか?
 タバコの依存症は強く、禁煙するためには強い精神力を必要としますが、絶対にやめられないということはありません。ドラッグストアには禁煙を助けるためのお薬もありますし、それでも禁煙できない人には禁煙外来という専門のお医者さんがいます。島田市の中にも専門のお医者さんはいますので、もし皆さんのお父さんなどが禁煙をしたいということでしたら、近くの薬局などで聞いてみてください。

麻薬、覚せい剤、危険ドラッグについて
・ポピーの花は麻薬と聞きましたが、本当ですか?
 ポピーには約150の種類があります。確かにその中には麻薬の原料になるものもありますが、お花屋さんで売っているポピーには麻薬の原料になる成分は含まれていません。また、野生で生えているポピーの中には麻薬となる成分が含まれている場合がありますが、そういったポピーは保健所などで伐採しますし、可能性としては非常に低いです。また知らずに触ったりしても害はないので、安心してください。
・麻薬の中には何が入っているのですか?
 日本の中で麻薬というのは、法律が定めた薬物のことを言います。病気の治療などにも用いられますが、使い方によっては精神に異常をきたしたり、身体的に死に至る場合がありますので、法律によって厳しく管理されています。
・1日何回大麻を吸うと死んでしまうのですか。
 量などにもよりますが、1回でも死に至る場合があります。そしてその時大丈夫だったとしても、気持ちや身体が大麻を欲しがるようになり(依存性)、大麻無しでは我慢できなくなって、何れは死に至ります。
・大麻はどこの国から始まったんですか?
 大麻の歴史はアルコールと同じように大変古く今から2000年以上前には存在していたようです。どこかの国から他の国に伝わったというよりは、それぞれの国で発見されて、宗教の道具や薬、嗜好品として用いられていたようです。
・麻薬って普段でも植物に含まれるんですか?
 はい、麻薬にも種類がありますが、その中には植物の中に含まれているものもあります。ただし、こう言った植物を育てたりすることは法律で厳しく定められており、一般の園芸店などでは手に入りません。先ほども書きましたが、まれに野草として生える場合もありますが、発見されると保健所や自衛隊が燃やすなどして処分します。
・麻薬、覚せい剤、危険ドラッグはどこから生まれたのですか?そしてなぜ売られているのですか?
 先ず、麻薬、覚せい剤に関しては偶然発見され、幻覚が見えたり、痛みを抑えたり、頭をスッキリさせるなどの作用から、宗教の道具やお薬として使われてきました。また昔は今ほど、医学が発達しておらず麻薬や覚せい剤は今ほど危険という認識がなく、一般でも流通していました。ただし、それらをむやみに使ったために、死んだりする人や、精神に異常をきたして犯罪を起こしたりする人が続出したため現在では法律で禁止されています。また、麻薬、覚せい剤は現在でも特殊な病気に対して有効なため販売されたりしますが、販売や使用に関しては法律で厳しく定められています。
 危険ドラッグに関しては、麻薬、覚せい剤が一般で販売が禁止されてから、その代用品として販売されました。ただし、危険ドラッグは治療に使うお薬としてではなく、遊びとして使うためだけに開発されたものを指します。
 麻薬、覚せい剤、危険ドラッグともに、遊びとして使われるのは非常に悲しいことです。また反社会的な人間がお金儲けのために販売する場合もあります。麻薬、覚せい剤、危険ドラッグ、ともに中毒を起こしやすく依存性が生まれます。反社会的な人間は最初ドラッグなど安く売って、依存性ができてから値段を上げます。依存性ができてしまった人は、ドラッグが欲しいために正常な判断ができなくなり、犯罪に手を染めたり、自殺をしてしまったりします。ドラッグは『1回くらいなら』などという考えは通用しません。その1回が皆さんの人生すべてを狂わせてしまいます。絶対に手を出さないようにしましょう。そして、誘われたりしたら、すぐに先生や親御さんに報告してください。

最後に・・・
 皆さんはまだ10歳か11歳ですよね。まだまだ人生が始まったばかりで、これからいろいろなことを勉強して、いろいろなことを経験していくはずです。その中でいろいろな夢が出てくると思います。今回、『将来、薬剤師になりたい』と言ってくれた子がいましたが、他の子も『サッカー選手になりたい』『アイドルになりたい』『ゲームプログラマーになりたい』など職業に対する夢や、身近なところでは『小学校卒業するまでに、100m泳げるようになりたい』『クッキーをうまく作れるようになりたい』など、いろいろな夢があると思います。
 そういった夢を実現させるためには、頭や身体を鍛えていかなくてはなりません。今回のアルコール、タバコ、ドラッグなどは夢をかなえるために不要ですし邪魔になります。
 将来、『薬学講座でこんなこと勉強したなぁ~』って覚えていてくれたらうれしいです。

長くなりましたが、今回の薬学講座での私の説明はこれで終わりです。
これからも元気に過ごしてください!!!


〇×薬局      
〇山×男 


どうでしょう?薬剤師と言うと薬局の中にしかいないように思われがちですが、こんな仕事もしています。
もちろん子供たちだけではなく、皆様の質問にも答えます。薬や健康など疑問がある方は、お近くの薬局に是非ご来局ください。

それでは今日はこの辺で、暑さに負けずに元気にお過ごしください((´∀`))

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